18.10.04 カテゴリー:1 やってて良かった!おおきなお世話
心を込めて、心の中で、エールを送ります。2018.10.04
「あのー、何時なら母を乗せていただくことが出来るでしょうか?」
お客様の必要な日時に空きがあるかどうかが介護タクシーご予約成立の基本なのですが、お客様は違いました。
「明日ならば、午前中が空いておりますが?」
「ええ!そうですか!じゃあ、明日の朝10時に母のいるホームに迎えに来てください。行先は病院です。帰りもお願いしたいのですが?」
「承知しました。お母さまの通院の送迎ですね。」
「ちょっと違いますが。よろしくお願いします。」
当日の朝、目的地に向かう車中での娘さんのお話によると、認知症を患ったお母様をご自宅で老々介護されていたお父様が緊急入院され、お父様の病院のお世話と、お母様の生活の場の確保に奔走されたそうです。
ホームで暮らすお母さまは現状の理解が乏しくお父様と会えない寂しさを毎日のように訴えられ、ご病気で言葉を無くされたお父様はお母さまの話が枕もとで出るとうっすらと涙を浮かべられておられるそうです。
病院のスタッフさんから介護タクシーの存在を知り、「そんなタクシーがあれば、お母さんとお父さんを病院で会わせることが出来る。病院のお父さんに会えば、お母さんも現状を理解してくれるだろう、早くしないと会えなくなってしまう。」との想いからのお電話が、冒頭の内容だったとのことです。
きっと素敵な面会になるだろうとの思いでお二人を病院玄関からお送りしました。
帰りの車中。饒舌だったお母さまは言葉少なで「あれはお父ちゃん違う。」との言葉。「お母さまの面倒を見てくださった頼もしいお父さんがベッドに横たわる姿を受け入れられないでいるようです。」娘さんはお母さんの心情を私たちにご説明くださり、混乱されるお母さまに寄り添っておられました。
他人ごとに無責任に再会の感動場面だけを想像していたおせっかいタカヤマ夫婦は、お客様から「老い」と「病気」の不安に揺れ動く家族と夫婦のご様子を教えていただきました。
他人事でおせっかいなタカヤマ夫婦は、心を込めて、心の中で、このご家族にエールを送りたいと心から思ったのでした。